Audi A7 Sportback '2017
フルモデルチェンジした 2代目Audi A7。 フォルクスワーゲングループの例に漏れず次々に新プラットフォームに移行する中で 、重厚でエレガントな デザインを続けてきた Audi に若干の不安を覚える今日、 先代 A 7 に負けず劣らずのびやかで エレガントなデザインが特徴の一台。
完全に余談ではあるが 、Audiは新型の発表の際にプレスリリースとしてかなり多くのイメージ とテクニカルイラストを公開している。Audi のブランドフィロソフィーたる「技術による先進」を見える形で顧客にアピールしている。用意されている車両イメージはもちろん、そのテクニカイラストのできも素晴らしい 。白を基調に分かりやすく、イメージ1枚に一つの機能や特徴を端的に表現している。文字が読めなくとも一目にしてその機能とが理解される。このような高品質なテクニカイラストを用意するメーカーは少ない 。もし日本の自動車ブランドも自社の採用する技術や開発した技術が素晴らしいというのならば、このように新車のお披露目に際してはそれにふさわしいと思えるものを用意してくれると嬉しいのであるが。各報道メディア向けに catia等の3D CADのキャプチャー画像を用意するだけというは少々をお粗末ではないかと思う。車の技術を紹介する雑誌の紙面等でAudiの画像をよく散見されるのは、Audiが先進技術を先んじて導入するというブランド戦略だけでなく広報戦略によるところも大きいだろう。車の機能や車好きにとってはどうでもいいことかもしれないが、 一般消費者に対してはAudiのような技術をわかりやすい形で 発表していくのはとても大事だと思われる。ということでAudiの紹介では用意されたテクニカルイラストを存分に使いたいと思うので、これからも他のブランドと比べるとどうしても分量が多くなると思われるが、お付き合いいただければ幸いである。
では本題に入りAudi A 7のデザインを見ていこう。
全体的にスポーティーなイメージとするためにワイドアンドローを強調する要素を各所に配している。 全体的なフォルムは のびやかで 連続感ある 印象を 醸し出しているがそこに配されている ここのデザインエレメントはかなり 強烈であり 少しその要素が強すぎるように思えてならない。
フロントフェンダー やリアフェンダーの上のエッジラインは、 ドア下側の音画面の LINE と相まって 実際の上下方向の厚み をより薄く見せることを狙ったものであるが フロントラインの延長線上に リアの LINE がくるようになっておらず 一体感あるある塊としてのフォルム を少々 靴してるようにも見える
一方で リアの 高端付近まで伸びるルーフラインは非常に絶妙で、 なだらかでありながら だれることなく 緊張感のある ラインを構築しておりグラスエリアについても カタンをほんのわずかに前消させ そして リアドアの後部で さらに後継させることで、 D ピラーを力強く感じさせている。またグラスエリア 昆布の上側のラインを延長することでルーフの連続性をDPR から分離させなおかつルーフの警戒感を出しているキャビンの軽快感を強調しそれに対比させて ボディの重厚さ を感じさせる
フロントは今日の多くの高級車に見られるように 非常にグラフィック的な傾向が強い。またフロントグリルを垂直に切ったような形状とすることで、よりいっそうその傾向が強まっている。 これまでにないくらい前面投影面に対して大きく、横長で鋭角的な六角形のフロントグリルは、複雑で鋭いヘッドランプとは申し訳程度にはボディで仕切られており、最近流行のフロントグリルとヘッドライトが連続する形状であれば、もしかしたらヒュンダイと見分けがつかなかったかもしれない。結果としては知的な雰囲気を醸し出しつつも、必要以上ではない存在感の主張に成功しているのは見事なバランスであると言える。
一方でリアエンドのテールランプは水平方向に連続した造形で、ワイド感を演出しているがフロントのデザイン要素に対して間の抜けた造形になっているののが気になる。マフラーエンドも含め、エクステリアのデザイン要素の多くは明確な矩形の集合と認識できる形状が配されているにもかかわらず、テールランプには「とりあえず左右をつないでおきました」感があるのだ。エクステリアデザインのの数少ないが大きな不満の一つである。個人的にはテールランプのボディ側の天地をもう少し厚く設定し、トランクリッドの部分はなだらかに左右から合流するのではなく、直線的で屈曲点が明確に出るほうが、この車の持つ「機械らしさ」を表現できると思うのだ。
インテリアでの注目点はメータークラスターが液晶表示の「」であり、エアコン吹き出し口はダッシュボードの高い位置に水平方向に一直線に配されている。その下にインフォテインメントの入力部となる異型のタッチパネルディスプレイ、さらにその下に車両の空調等を管理するための方形のタッチパネルが配されている。上位グレードだけの設定だと考えられるが、納車段階から運転手は三台の大型液晶ディスプレイに囲まれるのは現代的ではあるとは思うが、やりすぎ感がある。ダッシュボード中央において上下に二台の液晶ディスプレイを配する構成は日本車でも既に登場しているが、ここまでディスプレイパネルに偏重してもいいのだろうか。確かに物理的な部品とは異なりチューニングが容易で、量産効果が出やすく、高級車から大衆車まで多くの車種で仕様を統一でき、消費者への訴求力も大きいのは認めるが、振動フィードバック機能が付いたとしてもエアコン等は手探りで操作できる物理スイッチがいいと考えるのは古い人間だからだろうか。以前車のフェイスデザインのアイコニック化のためヘッドライトが大型化するという時期があったが、デザイン的な潮流への反動や、LED光源の進化や採用、ユニット単価の削減で、今度はヘッドランプが小さくなりつつあるのだが、インターフェイスのも同様のことは起きるのか注目したい。
おそらく樹脂部品ではあると思うが、様々な箇所にシルバーの加飾が見られ高級感はあるといえるが少々主張が強い。特にダッシュボード中断のインフォテインメントの入力部となる異型のタッチパネルディスプレイを囲むフレームは主張が強すぎる上にパネル内にまでシルバー加飾が入っており完全にやりすぎである。グローブボックスの開口に配慮したためであろうが、パネルの形状はもっとシンプルな形状でよかったのではないだろうか。
シャシー構成は非常にオーソドックスではあるものの、コンポーネントには技術的に新鋭のデバイスが採用され、その造りは丁寧で高品質なものが選ばれている。シャシー設計の観点からすれば贅沢な車両の部類に入るのは間違いない。
Audiといえばアルミ製のボディとしてASF(アウディスペースフレーム)が有名であるが、Audi A7の骨格の大部分はスチールである。例外的にストラットタワーやCピラー上部の左右を繋ぐ部分のような大きく複雑な入力がある部分にはダイカスト部品が使われている。左右のフロントストラットタワー間を繋ぐタワーバーは見た目こそ華奢な印象があるが、一般的な乗用車に装備するものとしては構造的は妥協されたモノではない。
フロントサスペンションは、高級車らしくハイマウントダブルウィッシュボーンにエアサスが組み合わされる。アーム部品ほとんどがアルミ材である。ステアリングはラックダイレクトアシストで精緻な応答性や正確性に対する要求にも耐えうるものであると考えられる。48V電装シスムの恩恵を確かなものとしている。サブフレームはアルミダイカスト部材とスチール部材の機械締結のハイブリット構造であり、注目点はステアリングギアボックス自体が複雑に構造材として配されている点にある。さすがにアルミダイカストのワンピース造りはコストの関係上実現できなかったものとみられる。重量級の車両のため6ポッドの巨大なブレーキキャリパーが備えられている。
リアサスペンションも5リンクのマルチサスペンションだが、フロントと違いコイルばねと油圧ダンパーのオーソドックスなサスペンションとなっている。強固なスチールのサブフレームにアルミのアーム類と豪奢な造りで、中央に電子制御でデファレンシャルギヤボックスが容量の大きなブッシュを介して取り付けられる。電気式のリアアスクルステアリングを備え、このクラスでは標準的な装備となりつつあることを実感させる。
インフォテイメントシステム等のために引き続いて12V電源も装備されるが、スタータージェネレーターシステムが48V電源システムとなったことで、大きな変換器を用いずとも力強いマイルドハイブリッドを構築することが可能になった。トヨタのプリウスのようにストロングハイブリッドに慣れてしまった現代ではいささかハイブリッドとして不十分な気がしないでもないが、補器類等に多くのスペースと重量を配分するよりも、エンジンをアシストするのみに特化し、高価な部品や貴金属等を用いずともトータルでの動力性能及び洗練性を確保するのには賢いやり方である。総合的に考えるならば、実省エネとパフォーマンスの両立にはステータスとはまた違う選択も大事である。
エンジンはV型6気筒3LのTFSI 及びTDIが用いられる。このユニットは従来のV型エンジンの吸排気レイアウトと反対にバンク内に二基のターボチャージャーを配置し、エンジンの外バンクから吸気する方式である。エンジンで発生した熱エネルギーを効率よくターボチャージャーに供給することで、トータルとしたの熱効率向上だけでなくレスポンス向上などに有効とされ、近年ではメルセデスベンツやBMW等のパフォーマンスモデルにも同方式を採用する例が多い。
0コメント