Nissan Xmotion concept '2018

「和」ではなく「日本」をコンセプトした日産のコンセプトか白地に朱、まさに「日本」をコンセプトとした車両である。フォルムや車格・サイズ感からして次期エクストレイルにつながるデザインコンセプトではないだろうか。

他の日産のコンセプトカーや量産機種同様にいたるところにVモーションの造詣を見ることができる。Vモーショングリルは正面から見ると一糸乱れぬラインを構成している。現行のエクストレイルと違いボンネットはベイトライン付近から水平に伸び、フロントエンドでほぼ垂直に落ちている。これによりフロントからリアまでどっしりとした重厚感を伝えている。

フェンダーの上を盛り上げる方法はコンセプトカーとしてその迫力を伝えるために有効な方法であるがもしれないが、市販されることになればいささかデザインとして使用される幅は削減されるだろう。タイヤ周りのオーバーフェンダーはいささか過剰な表現ではあるが、現在ではこのような表現なしにはコンセプトモデルとしての迫力というものを伝えるのが難しくなっているのかもしれない。

キャビントップには朱が差し色として使用している積層表現とすることで立体感と警戒感を演出している。BMW MINIなどでトップを塗り分ける手法は使われているものの、このように編み込むような形で使用されている量産車はない。実用化されれば新しい手法として受け入れられると思うが、実際に行うとコストがかかるためNissanというブランドでは難しい気がしてならないが、是非実用化してほしいものである。

また、トップのキャリアは非常にスタイリッシュにあるがその容積からして現実的ではない大容量のルーフキャリアでありながらスタイリッシュな形状を提案してほしい。

インテリアはエクステリアとは対照的に朱地に白の色彩である。ドアはコンセプトカーらしく両開きであり、本来であれば前後ともに前ヒンジのドアがつくと思われる。センターコンソール後席の間には一本の綺麗に湾曲した木材が使用されている。フロアを川と見立てて、前後に渡る橋として表現されている、このような一見して表面処理してないような木材をインテリアに使用することは非常に珍しく、継ぐ方法にしても日本の組み木を彷彿させる。実際に表面処理を行わずに使用されれば、すぐさま傷等が付き着くのは必至だがラッカーや塗装がされていない白木のようなマットで軽快な質感の材質は日本家屋や北欧家具を彷彿とさせ、時間と共に皮とは違った「馴染み」を見せそうで、従来の劣化とは違う経年変化を期待させる。

インストゥルメントパネルは大きな変化のないシンプルな形状で局面の張りが空間にわずかに緊張感を持たせている。一方で下部は大雑把な作りでもう少し繊細さがあっても良いのではないかと思う。同じく無造作にステアリングコラムが生えており、角形のステアリングホイールもコンセプトカーらしく先進的でかつ他の要素が生えるモノとなっている。前面には角形の5分割の曲面パネルがインフォテイメントシステムとして並び、ここまでしておいて明らかに制作上の都合が見え隠れしている点は寂しさを感じさえる。ここにアシスタントキャラクターとして鯉が泳ぐようである。これから登場してくる「繋がる車」にも、携帯端末でも採用されてきた性格を持ったキャラクターが採用の兆しかもしれない。

シートの基本形状は現代的であり、十分にサイドサポート及びそれはサポートが設けられている。ショルダーサポートはおそらく木製であり、組木細工のような形状である。実際に使えると身体に食い込んできて苦痛を伴うのではないかと推測され、実際には実現されない形状ではあるが、フロントシートの形状が身体のサポートのためにどうしても大柄になりがちであるが、このような軽快な形状を是非実現して欲しいものである。

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